Brittany Maynardさん尊厳死、奥山で茸狩り 2014-11-03 [自然と農]
尊厳死予告の米女性が自殺 「さようなら、世界」
【AFP=時事】(一部更新)末期の脳腫瘍を患いインターネット上で尊厳死を予告する動画を公開して話題を呼んでいた米国人女性、ブリタニー・メイナード(Brittany Maynard)さん(29)が、自殺したことが分かった。
メイナードさんはソーシャルメディアに「さようなら、親愛なる全ての友人たちと愛する家族のみんな。今日、私は尊厳死を選びます。この恐ろしい末期の脳腫瘍は、私からたくさんのものを奪っていきました。このままでは、さらに多くのものが奪われてしまったことでしょう」「この世界は美しい場所です。旅は、私にとって最も偉大な教師でした。最も偉大な支援者は、近しい友人や仲間たちです。こうしてメッセージを書く間にも、私のベッドのそばで応援してくれています。さようなら、世界。良いエネルギーを広めてください。次へつなげましょう」とのメッセージを投稿した。
メイナードさんを支援してきた尊厳死支援団体「コンパッション・アンド・チョイセズ(Compassion & Choices)」のショーン・クロウリー(Sean Crowley)氏によると、メイナードさんは11月1日、自宅で安らかに息を引き取ったという。
尊厳死を選んだアメリカ人女性は今?日本で尊厳死は認められるか
11月1日に、医師から処方された薬物で、自ら死ぬことを公表しているアメリカ人女性、ブリタニー・メイナードさん(29歳)。今年はじめに、悪性の脳腫瘍「多形性膠芽腫(こうがしゅ)」に侵されていたことが分かり、すぐに手術にのぞみましたが、その後、余命6か月であると宣告されました。そこでメイナードさんは、仮にこのまま治療を続けた場合の痛みや後遺症と、かけがえのない残りの人生の時間とを天秤にかけ、自ら安楽死する決断をしたとのこと。これは彼女の、人間としての尊厳を保つ「生き方」の選択ともいえるかもしれません。しかし、あえて自分の死期を公言した彼女の行動には、世論も賛否が分かれるところとなっています。
彼女のこうした決断を可能にしたのは、アメリカの5州(オレゴン、ワシントン、バーモント、モンタナ、ニューメキシコ)で成立している尊厳死法です。 現在の日本でこの尊厳死を解釈すると、「不治の病で残りの命が短いと判明したとき、ただ命を長らえさせるだけの延命措置は拒否し、自然に任せて迎える死」となります。しかし今の日本に尊厳死の法律はないので、医師も判断を下すことはできず、実質的にはこの解釈の尊厳死すら認められていないのが現状です。
しかしアメリカの場合は、今回メイナードさんが選んだような「命を短縮させる意図をもった積極的な安楽死」も尊厳死として認められているのです。これは延命措置を行わない、という行為とは明らかに違います。余命6か月未満で責任能力のある成人の末期患者であれば、限られた州においては合法的に認められる権利なのです。
日本でもし安楽死のような行為に関われば、「殺人罪」「同意殺人罪」などに問われることになります。患者自身も、周囲から必ずしも尊厳を保って迎えた死、とは言ってもらえないかもしれません。現在の日本では安楽死と尊厳死とは異なって解釈されているのです。
現在、日本には尊厳死の法律はありません。医師にとっては、患者の希望であったとしても、延命治療を中止したことによって訴訟に発展するケースがあります。またそのようなリスクを恐れる医師のもとでは、患者がいくら意思を示しても拒否されることがあります。
必ず自分の意思が叶うかどうかは別として、もしものときのために自分の意思を示しておきたい、と思う人はいるでしょう。実際にそういう人たちの間で行われている方法があります。生前、元気なうちに、自分がどのように最期を迎えたいかを文書化しておく「リビングウィル」です。
1つには、遺言書と同じように、公正証書として明文化しておく「尊厳死宣言公正証書」です。これはだれもが客観的に、本人の意思表示を確認する方法として有効とされています。
2つ目には、尊厳死の普及啓発を行う団体「日本尊厳死協会」に入会して、書面を作り、登録保管してもらう方法です。
いずれの形も、なぜそのような意思決定に至ったか、そして自分の意思を受容してくれた人へ、その行為の責任追及をしないことを明記する必要があります。そして家族や友人など自分がもっとも信頼できる人に、リビングウィルの存在を周知しておくことが大切です。